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不登校について

不登校について

『不登校』という言葉が世間に定着してからずいぶん経ったように思います。
不登校については、以前は『登校拒否』なんていう呼び方をされていましたが、現在は『不登校』で落ち着いた感があります。
文部科学省によると、不登校とは、

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの

と定義されています(参考url:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302905.htm)。

不登校に関しては、文部科学省が継続的に調査を行っており、平成13年ごろをピークとしてその数が減少に転じているようですが、これをそのままの意味で受け取ることには慎重になるべきです。
なぜなら、現代は少子化によって学童の絶対数が減ってきているからです(増えてきている自治体もあります)。
逆に、学童数における不登校児のパーセンテージは上がっているという報告があり、むしろ不登校は増えているといえます。
また、その背景には、さまざまな事情によって、公の統計に含まれていない事例が多数あるでしょうから、問題はより深刻かもしれません。

不登校の原因

不登校やひきこもりの原因に関しては特定が難しく、またお子さん1人ひとりの個別性をふまえて考えるものであるように思います。
きっかけとしては、生徒間のいじめ、学校の先生との合わなさ、勉強についていけない、家庭環境、本人の無気力、精神疾患、発達障害…というように、たくさん想像することができます。
しかし、原因が1つであるということはなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って、たまたまその時、そのお子さんが『そういう状態になっている』というのが実際ではないでしょうか。
そして、最初はきっかけがあったものの、不登校やひきこもりが期間的に長くなると、そのこと自体が負い目になって、ますます自分の殻に閉じこもる…という悪循環が生まれてしまいます。

上記のように、原因やきっかけはいくつも想像できますし、たとえ最初のきっかけは1つであっても、背景に抱えていた複数の問題が絡み合い、いつの間にか学校に行けていないこと自体、あるいはひきこもっていること自体が原因にすり替わったりします。
いずれにしても、何かしらの介入があってすぐに改善、ということは考えにくいため、少し長い目で見守ってあげることが求められるでしょう。
ただし、不登校の背景に、精神疾患や発達障害が想定される場合は、なるべく早い段階でそれらを見つけてあげる必要があります。

思春期のお子さんが不登校になり、人との接触を極端に避ける、昼夜逆転の生活を送る、といった状態が出現した場合は、注意深く見守ってあげるべきです。
なぜなら、そういった状態が、統合失調症の初期症状である場合があるからです(ただし上記の状態イコール統合失調症というわけではありません)。
この場合は、早期発見・早期対応が大切になり、治療のメインは投薬になりますので、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

そして、もう1つ大切なのは、発達障害の視点です。
これが背景にあって、学校で不適応を起こしている、あるいは対人関係に困難を抱えている場合についても、なるべく早い段階で見つけてあげることが求められます。
ADHDが背景にあって、周囲から叱られ続けることで極端に自尊心が低下していて、それがきっかけの1つとなることは考えられます。
また、ASDが背景にあり、ふとしたことがきっかけで不登校やひきこもりにつながる場合があります。
ASDの場合、お子さんによっては非常にデリケートで、ちょっとしたことがトラウマになりやすい、という特性を持っていることがありますので、あくまで『可能性の1つ』として考えてあげられるとよいかもしれません。
なぜなら、そのことがわかるのと、わからないのとでは、対応が違ってくる場合があるからです。

HSCのこと

近年になって注目されはじめた概念に、HSCというものがあります。
これは、Highly Sensitive Childの頭文字をとった略語で、人一倍敏感な子どもを指します。
同じ特徴の人が成人の場合は、HSP(Highly Sensitive Person)と呼びます。

HSCやHSPは、5人に1人の割合でいると言われており、それは全人口の20%に該当します。

そして、不登校のお子さんと多く接していると、このHSCを思わせるお子さんが少なくないことに気づきます。

HSCのお子さんは、想像力が豊かで、周囲(自分自身も含めて)のさまざまなことを敏感に察知できる一方、傷つきやすく繊細な面を持っています。
親から兄弟が叱られていると、その大きい声に傷ついてしまったり、そのことが記憶に定着してしまったりします。

HSCのお子さんは、感覚的な過敏や、ネガティブな体験をより深くネガティブに捉えやすい傾向(しかも記憶に定着しやすい)といった、自閉症スペクトラム障害と似たところがあります。
しかし、自閉症スペクトラム障害のお子さんは『心の理論』の不得意さから、相手の気持ちを察するのが苦手であるのに対し、HSCのお子さんはむしろ相手の気持ちを察し過ぎるところがあり、そのことが傷つきや疲れにつながってしまいます。

ただし、このHSCはまだ新しい概念であり、わかっていないことが多いです。

自閉症スペクトラム障害と区別するべきなのか、その延長線上にある概念なのか、わかっていません。
しかし、不登校を考える際には、知っておくべき概念と考えられます。

不登校への対応について

不登校に関しては、当事者のお子さんにとっても、保護者の方にとっても大変なことです。
もちろん、保護者の方には焦る気持ちや心配する気持ちがあるでしょう。
しかし前述のように、少し長い目で見守ってあげるスタンスが大切です。
そして、学校の先生やスクールカウンセラー、必要があればその他にも相談できる機関としっかりつながっておくべきです。

  • まずは、しっかりお子さんと向き合って、よく観察してあげてください。
  • お子さんを不必要に責めないでください。そんなことしなくても、お子さん自身が一番自分を責めているかもしれません。たとえそうは見えなくても。
  • 原因の特定を急がないでください。人間、わからないことがあると不安になって、原因だとかそういうことを決めつけて安心したがります。でも、親側が納得できるような原因にお子さんを誘導尋問したところで、なんの解決にもなりません。
  • お子さんを肯定して、認めてあげてください。これは、なんでもかんでも受容して、好き勝手にやらせてあげる、という意味ではないです。お子さんの存在を認めて、役割を与え、自己効力感を失わないように配慮してあげてください。節度を持って、でも肯定して、たとえ原因を言えなくてもそのことも肯定してあげてください。
  • 相手(お子さん)を変えるよりも、自分(保護者の方)が変わる方が早いかも、という視点を持ってください。親子関係の問題が背景にあった場合、親側が接し方を変えることで、悪循環を断ち切ることができる場合があります。
  • 規則正しい生活を心がけさせて、勉強する時間を作るようにしてあげてください。
  • 不必要に将来を悲観せず、またお子さんにも「早くしないとヤバいぞ」などの脅しもしないでください。
  • 保健室登校や、フリースクールに通うという選択肢もあることを、ぜひ知っておいてください。

不登校の問題は本当に難しく、何か原因を特定してそれに介入して解決、となったら簡単なのですが、多くの場合、そうはなりません。
問題は長期化するかもしれない、という覚悟は必要ですが、その一方で、心のどこかで(案外、そうならないかもな)と考えていていただきたいです。
そして、現実的な問題として、精神疾患や、発達障害が背景にある可能性は心の片隅に置いておいてください。

そして、お子さんが自己効力感(自分はできる、という気持ち)を失わないようにしてあげてください。
これは大切です。
いずれ、お子さんが登校できるようになった時、あるいは外出できるようになった時のためです。
学習面での遅れが積み重なっていくと、どうしても自信を失っていきますし、勉強のことなんかで、そんなことで不登校が長引かないように、社会とのつながりを絶たないように、配慮してあげてください。

Apilaでは、不登校のお子さんに関して、学習面のサポートや発達相談、カウンセリングを行っていますので、ご希望があればご連絡・ご予約をお待ちしております。

 

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