主な経歴
- 東京臨床心理士会所属 【臨床心理士登録番号:23030】
- 公認心理師 【登録番号:第316号】
- 国立研究開発法人国立成育医療研究センター 常勤 臨床心理士
- こどもとおとなの訪問発達サポート Apila
- 環境省エコチル調査員
- 国立成育医療研究センター 非常勤 臨床心理士
主な著作
- 総合リハビリテーション 第42巻 第3号 実践講座 小児発達検査3 全般的発達 医学書院
- Wechsler Intelligence Scale for Children-Fourth Edition(WISC-Ⅳ)「絵の抹消」の有用性(原著論文)The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 医学書院
- 発達障害のリハビリテーション 多職種アプローチの実際(共著) 宮尾益知・橋本圭司 編集 医学書院
- Monthly Book MEDICAL REHABILITATION 小児脳損傷のリハビリテーション―成長に合わせたアプローチ―(共著) 全日本病院出版会
など
主な講演やレクチャー
- 国際治療教育研究所 第148回国治研セミナー「発達を支える子どものリハビリテーション」~急性期から地域への橋渡し~ 講師
- 浦安市 家庭教育学級 講師
- ちばエコチル調査講演会 子どもの健康と発達障害を知ろう!「発達障害をふまえた子どもとのかかわり」 講師
など
好きなこと
- 海外ドラマを観ること
- ブラジリアン柔術
- ガーデニング
- ホームセンターに居ること
など
ごあいさつ
こどもとおとなの訪問発達サポート Apilaのホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。
代表の竹厚 誠(たけこう まこと)と申します。臨床心理士をしています。
背景画像の右に写っているのは私の息子(11歳の時)で、アイコン画像で私に抱かれているのは娘(0歳の時)ですね。
「Apila」とは、フィンランド語で「クローバー」という意味です。
四葉のクローバーは幸福のシンボルとして知られており、可愛らしいイメージがあるかもしれません。
しかし同時に、クローバーは非常に強く、繁殖力旺盛な植物としても知られています。
お子さんたちの才能が強く育ち、豊かに広がっていってほしい。
そんな願いを込めて、Apilaと名づけました。
いや、お子さんだけでなく、私たち大人も、負けずに、豊かに広がっていきたいですね。
私自身は若い頃に、鉄筋工や内装工という、いわゆる“工事現場の人”をしていました。
そして、息子が生まれたのを機に、社会人大学院に入学して臨床心理士に転職しました。
子どもの発達のことをもっと知りたい、それを自分の子育てに役立てたい、という漠然とした思いからでした。
また、息子が低出生体重児だったことも、心のどこかにあって、関係していたと思います。
しかし実際に働いてみると、臨床心理士の仕事はとても大変でした。
同時期にシングルファーザーになったことも大変さに拍車をかけました。
とにかく、前職と正反対の業務内容、というよりまるで無関係です。
それまでに培った、鉄筋を担ぐ腕力や木工事のスキル、カーペット施工のスキルはまったく通用せず(当たり前です)、日々が苦労の連続でした。
そして何年かするうちに、私はしだいに『子どもの欠点を鋭く見つける』ためのスキルを次々と身につけていき、そういう臨床心理士として完成されていきました。
前職が無関係だからこそ頑張らなければならない。
専門家としてふるまい、問題点を鋭く指摘しなくてはならない。
それが自分の存在意義だ、と肩肘張っていたのかもしれません。
かもしれませんというか、そうでした。
しかし今になって考えると、その頃の私はとても安易なことをしていました。
そんなある日、私は職場で障害があるお子さんと、そのお母さんに会いました。
私がお子さんの学校生活について聞くと、お母さんは、お迎えの時に先生から毎日、
「今日の○○くんはここが問題でした」
「今日はこれができませんでしたよ」
などとネガティブなことばかり言われる、と暗い表情で語りました。
そして最後にポツリと「謝ればいいのか…と思った」と呟きました。
私はその言葉にすごくショックを受けたのを覚えています。
その学校の先生が酷いと思ったからではありません。
私もその先生と同じことをしていると気づいたからです。
ちょうどその頃、実は私の息子も学校生活がうまくいっていませんでした。
そして私は、個人面談で先生から注意を受けるなどして、毎日を暗い気持ちで過ごしていました。
そのことも、自分自身への憤りを強くしました。
(それなのに自分はいったい何をやっているんだ)と。
私はそれをきっかけに、考え方を変えました。
どんな子どもにも良いところと悪いところがあるということは、日々の業務を通して知っていました。
だったらどちらも平等に見て、良いところをしっかり伝えるようにしよう。
お子さんと親御さんの味方になって、(こんなことができるのか)と思ってもらおう。自信を持ってもらおう。
そう考えるようになりました。
相手の悪いところを指摘することは、実はとても簡単で、良いところを見つけるのはその何倍も難しい。
しかしだからこそやりがいがある、とも思いました。
上に書いたエピソードは、Apilaの立ち上げに大きく影響しました。
そしてその時に芽生えた想いは、Apilaの基本理念となっています。
私の唐突な自分語りに困惑されたかもしれません。
しかし、Apilaの理念をお伝えするのに、時系列に沿ってこれまでのことを整理する必要があったのです。
日々の業務で子どもたちとかかわるのは、本当に難しくて、それでいて楽しいです。
しかし、私がお会いしてきた親御さんたちは、多かれ少なかれ、皆さん子育てについて悩んでいらっしゃいました。
子どもの育て方が間違っているのではないか。
自分の言動が子どもの人格形成に悪影響を与えているのではないか。
もう取返しがつかないのではないか、と。
そして、それを聞いてきた私、曲がりなりにも臨床心理士として多くの子どもたちとかかわってきた私が、
自分自身の子育てについてどうなのかというと、やっぱり悩んでばかりなんですよ。本当に毎日悩んでばかりです。
ただ、一方でこうも思うんです。
親は、子どもにとって特別で絶対的な存在です。
子どもの年齢が幼ければ幼いほど、そうなりますよね。
言い方は悪いですが、親は子どもの運命を左右できるほどの力を持っているといっていい。
そのような力を持つ存在である親が、自分の子育てに悩まず、
常に『自分のやり方は正しい』と確信していたら、そんな怖いことはないと思うんです。
なんだか、「ごあいさつ」と書いておきながら、最後の方は自分自身に向かって書いている感じになってしまいました。
不安や、悩みや、葛藤や、いろいろなことは、私と、お子さんと、
これをお読みのあなたで、これから一緒にひとつずつ取り除いていけばいいんじゃないか。
そう思っています。
こどもとおとなの訪問発達サポート Apila
竹厚誠